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京都大学女性研究者支援センター設立記念シンポジウム「京都大学モデル」の推進に向けて (2006年10月9日)

尾池 和夫

 平成18年9月5日、本学は女性研究者支援センターを設置いたしました。その発足に際して、京都府、京都市の方々のご臨席のもとに、ここに記念シンポジウムを開催することができ、心から喜んでいる次第でございます。本日は、京都府から小石原 範和副知事、京都市からは星川 茂一副市長の参加を頂いております。このセンターの設置は、京都大学の長年の念願が、文部科学省科学技術振興調整費の助成を受けることによって実現したものです。

 このシンポジウムを開催するにあたり、センターの実現に際して援助と協力をして下さった、ご来賓の文部科学省、科学技術・学術政策局の吉川 晃科学技術・学術統括官、内閣府男女共同参画推進課の安田 伸企画官、また「大学における男女共同参画の推進」と題して基調講演をしていただく名取 はにわ前内閣府男女共同参画局長に、深く感謝申し上げる次第です。

 さらに、本日のプログラムの後半で行います『「京都大学モデル」は何をめざすのか?』と題したパネルディスカッションにパネラーとして参加して頂く、オムロン株式会社執行役員 藤原 啓史氏には、企業の立場からの貴重なご意見が頂けることと期待しております。

 本学には約3千人の教員がおりますが、そのうち女性は約200人、割合にしてたった6.6%です。しかし、博士学位授与者の21%が女性であることとの関係を分析してみることも必要ではないかと思っています。女性教員が少ない原因はいろいろ考えられますが、一番大きいのはやはり、女性になかなか門戸を開いていない京都大学の特質があるのではないでしょうか。もちろん、女性が京都大学の教員として働くための労働環境が、また女性研究者として活動するための仕組みが十分でないということも、その参画を困難にしている原因の一つでしょう。

 このような状況を女性研究者自らが打開し、男女共同参画の社会を実現しようと、本学では、「女性教員懇話会」や「女性研究者の会」などに代表されるネットワークがあります。男女共同参画をめざす社会全体としての昨今の動きがあっても、京都大学はなかなか動こうとしない大学ですが、ようやくこの女性研究者支援センターの設置が実現しました。これからいよいよ本腰を入れて、という思いであります。

 本学の女性研究者は大学人であると共に、申し上げるまでもなく地域で生活し、子育てをしている市民でもあり、大学の中だけでの支援ではとうてい困難な点が多々ございます。そういった意味で、本学が提案いたしました女性研究者の包括的支援「京都大学モデル」は、卓越した女性研究者を育成し援助する環境を作り、本学に留まらず地域行政、NPO法人などと連携して行うことを大きな特徴としております。

 昨年度、本学には男女共同参画基本理念のもと、男女共同参画企画推進委員会が設置されました。この推進委員会のもと、センターを中心に女性研究者が研究者、教育者として、その力を十分に発揮できるよう研究環境改善の努力を、私自身もしていきたいと思っておりますし、京都大学の教職員全員の理解にもとづく協力を期待しております。

 本シンポジウム開催に当たり、ご協力くださいました関係の皆さま、ならびに本日ご参加の皆さまにお礼を申し上げ、女性研究者支援センター発足に当たっての私の挨拶とさせていただきます。

 ありがとうございました。

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