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京都大学21世紀COEプログラム「先端経済分析のインターフェイス拠点の形成」 第2回高田保馬記念講演「地球の全員のための公正貿易は可能か」 Professor Josepf E.Stiglitz 挨拶 (2006年7月5日)

尾池 和夫

 スティグリッツ先生、ようこそ京都大学にお越しくださいました。また、会場の入りきれないほどの方々が参加してくださいました。ありがとうございます。

 京都大学は1897年に日本で2番目の国立大学として、伝統文化の中心である京都に設置されました。その歴史の中で「自由の学風」を育みながら、教育と研究につとめてきました。そのなかで、多くの優れた学者を生み出しましたが、今日の講演会でその名前が冠されている経済学者の高田保馬もその一人であります。

 スティグリッツ先生は、ノーベル経済学賞を受賞された世界的な経済学者であり、1990年代のアメリカ合衆国の経済政策を実践的にリードされました。日本語に翻訳されているたくさんの教科書を通じてだけでも、日本の学生も多大な恩恵をこうむっていますが、本日は、直接に学生たちに語りかけていただけるということで、まことにありがたく思います。

 京都大学は、基本理念の前文で「京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承、発展させつつ、多元的な課題に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献する」とうたっています。スティグリッツ教授の今日のご講演のタイトルを、主催者は「地球の全員のための公正貿易は可能か」と訳しています。貿易も、本来は双方の利益にならなければなりません。今回のご講演のタイトルは、本学が基本理念で掲げている「地球社会の調和ある共存」はどのようにして可能かという問いかけに通じるものと思われます。

 また、京都大学は、21世紀の主要課題の一つというべき環境問題の研究にも力を入れ、全学の協力によって地球環境学堂を設置しています。スティグリッツ先生の今回のご来日は、本学の佐和 隆光名誉教授、植田 和弘教授が中心になって京都の国際会議場で開催している環境経済学世界大会のためであるとうかがっています。昨日は、地球の全員のための環境の保全のあり方について積極的なお考えを提示されたとうかがいました。

 貿易と開発の問題は環境問題と両輪をなす現下の基本問題でしょう。それは、「地球社会の調和ある共存」のために解決しなければならない問題です。スティグリッツ先生に、本日、本学でこの問題について御講演いただくことは、まことに意義深いことであるという思いをお伝えして、歓迎と感謝のご挨拶といたします。

 ありがとうございました。

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