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退職教授懇談会 挨拶 (2006年4月5日)

尾池 和夫

 今年は、平年とやや異なり、梅や桃の開花が遅れ、桜と同時に見られる所も京都にあるようですが、大学では、2006年度が、毎年の通り無事始まりました。昨年度は、世界物理年の行事や、日本ドイツ年の行事で、アインシュタイン展があったりしましたが、今年は、京都大学では湯川・朝永生誕100年記念行事の年にいたします。1949年の湯川 秀樹先生のノーベル賞からすでに57年、また1965年の朝永 振一郎先生のノーベル賞から41年になります。

 おかげさまで、京都大学の国際シンポジウムは今までに7回開催し、去る3月16日には13の研究所と4つの研究センターの主催によるシンポジウムも大成功のうちに第1回を開催しました。今年もさらに発展的にこれらの行事を続けます。そこでも退職された先生方にも、またお世話になることでしょうが、世界各地で行われるさまざまの学界活動の中でも、ご退職の先生方のご活躍が拝見できると楽しみにしております。

 今年も多くの教職員の方々がご退職になり、あるいは転勤され、また、多くの学生の皆さんが卒業、あるいは修了されました。3月24日の卒業式で卒業生は累計で、17万4013名になりました。また3月23日の学位授与式では、京都大学修士は累計52637名になり、京都大学修士(専門職)は53名、京都大学法務博士(専門職)は134名になりました。博士は、課程博士487名、論文博士79名に学位を授与し、創立以来の歴史の中で、34008名の博士を世に送り出しました。

 今年は、前期日程試験での入学予定者が2525名、後期日程での入学予定者が379名、外国学校出身者が18名、合計2922名が入学手続きをすませています。

 昨日は京都大学に新規採用した36名の職員の研修を開始しました。私も開講式の挨拶で15分ほど話しました。「京都大学総務部事務改革推進室要項」を総長裁定で制定したのは、2004年11月1日でした。それから1年で、昨年秋には教育研究推進本部と経営企画本部の看板を上げました。その後センター設置について検討し、4月3日(月曜日)から運営が始まりました。皆様方の多大のご協力によって、これらを立ち上げることができたと思っています。

 3日には、経営管理大学院の看板、公共政策大学院の看板、地域研究統合情報センターの銘板、それぞれの除幕式を行いました。これらの実現も皆さま方のご努力のお陰であります。また、京都大学総合図書館の地下の書庫には、京セラ文庫の「英国議会資料」が納められて研究者の共同利用に供せられることになりました。

 人間・環境学研究科教授だった林 哲介 さんは、光物性物理学が専門ですが、副学長、高等教育研究開発推進機構長、高等教育研究開発推進センター長をつとめていただき、最終講義も「教養教育との迷走~三十年」という題で、その教育への情熱から、私も長年にわたって多くのことを学ぶことができました。

 放射性同位元素総合センター長だった五十棲 泰人(いそずみ やすひと)さんは、「実験科学に魅せられて-物作りの楽しみ-」と題する最終講義をされましたが、先生には国立大学の法人化に伴う放射線安全管理の問題に関して、大変なご努力をいただきました。

 生存圏研究所の松本 紘(まつもと ひろし)さんは、皆さまご承知の通り、昨年の10月から本学の理事としてご活躍いただいており、いよいよ4月からはその理事の仕事に専念していただけると、ご退職の日を私も楽しみにしておりました。松本理事のホームページには、「ニンキ時計」というのがあって、あと84%というように残りが表示されています。任期中に任務を完了するようにという、やる気満々の構えが見えます。

 先生方には長期にわたり、京都大学の教育、研究、あるいは医療に貢献していただき、同時に世界の人類の福祉に貢献する大きな足跡を残していただきました。京都大学を代表して深く感謝申し上げます。卒業生がこの大学を母校というように、先生方にもこの京都大学をぜひ母校と思っていただいて、今後とも後進に対してご指導を賜りますようお願いします。大学のホームページのお知らせの中に「退職教員からの一言」という欄があります。まずは、そこにご寄稿下さるようお願いします。

 先生方の今後のご健康とさらなるご活躍をお祈りして、お礼とお祝いの言葉とさせていただきます。

 ありがとうございました。

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