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佐野 猶則、啓子ご夫妻のご支援に感謝して (2004年11月1日)

尾池 和夫

佐野 猶則、啓子ご夫妻

 2001(平成13)年11月2日に、国際研究交流大学村で「留学生100年記念式典」という行事がありました。京都からは、佐野 猶則(さの なおのり)さんが、多年にわたり留学生の受入れ等の交流に関する支援活動を行い、顕著な功績があった個人として、顕彰されました。
 20世紀の初め、1901(明治34)年に、当時の帝国大学などに留学生を受け入るための「文部省直轄学校外国人特別入学規程」が制定され、その翌年、我が国は58名の留学生を近隣諸国などから受け入れました。2001年の「留学生100年記念式典」は、そのことを記念しての行事でありました。この1901年の国の受け入れに先立ち、日本の留学生受入れは、1881(明治14)年に韓国から、1896(明治29)年に中国から民間ベースで始まりました。そして、1897年には京都帝国大学が創立されたわけです。


 佐野奨学金は、京都大学医学部出身の佐野 猶則先生からのご寄付で設立され、京都大学で学習する東南アジア諸国からの、ときにはその周辺国からの留学生のための奨学、あるいは支援を通じて、国際交流を深める目的で、1978年より今日まで、佐野 猶則様、啓子様ご夫妻によって続けられてきたものであります。今日までに、延べ200人を超える学生たちがその恩恵に浴してきました。
 今年5月現在で、京都大学には、76カ国から1253名の留学生が来ています。その中の実に1パーセントが今日この席に出席して佐野ご夫妻と懇談するのです。この数字は佐野奨学金が個人の出資で設置されていることを考えると大変なことです。あらためてその重みを私は今、噛みしめております。


 京都大学から海外へ出かける学生もおります。この前インドネシアへ行きましたら、大学院の学生たちがフィールドワークで滞在していて、たいへん世話になりました。海外の土地で京都大学の学生が活躍しているのを見るのはうれしいものです。今日出席の学生のみなさんも、きっと国の方々の期待を担って来ておられることと思います。そしてそれに応える学習をしていることと思います。
 しかし、昨年度の派遣留学生が全体で245名と、今、京都大学では、留学する学生がたいへん少ないのです。さらに今はアジアの諸国へ出掛けていく京都大学の学生が少ないのが、私の悩みです。明日、実は京都大学では初めて、留学生フェアを開催します。それが少しでも、京都大学からの留学生を増やす効果があればと期待しています。今日ご出席の留学生の方々もぜひ、京都大学の学生たちに皆さんの国への留学をすすめてください。

 佐野先生ご夫妻におかれましては、どうかお元気で、いつまでも、ご支援くださった奨学生たちの活躍を見守っていただきますように、ご健康をお祈り申し上げて、私の挨拶といたします。

 ありがとうございました。

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