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アラン・ケイ博士に名誉博士の称号を贈呈しました。(2009年1月20日)

 百周年時計台記念館迎賓室において、松本紘総長、西村周三 教育・学生担当理事・副学長、富田眞治 情報学研究科長等関係者出席のもと、京都大学名誉博士称号贈呈式が挙行されました。同博士を京都に招き共に活動した故・上林弥彦教授の遺影が飾られた贈呈式では、松本総長から、米国の計算機科学の先駆者であり、本学の情報学に関する教育研究に大きな貢献のあったアラン・ケイ(Alan Kay)博士(Viewpoints Research Institute所長)に対し、名誉博士記および称号贈呈の趣意書並びに名誉博士称号の証となるカラーコードが贈呈されました。

 名誉博士は今回で12人目となりますが、平成15年に授与対象となる業績が本学における学術研究への貢献に加え、教育や学術文化への貢献にも広げられて以来4人目であり、本学の教育研究への貢献に対する授与としては初のことです。

 贈呈式終了後、ケイ博士による「A Lecture In Memory of Yahiko Kambayashi-sensei Systems Thinking For Children And Adults」と題した記念講演が行われ、パーソナルコンピューティングとその教育への利用を考え続けてきたケイ博士は、子供たちと大人たちのためのシステム思考について、故・上林弥彦教授への思い出を込めて語られ、学内および一般参加者は熱心に聞き入りました。記念祝賀会では松本総長、長尾真元総長の挨拶、ケイ博士のスピーチの後、京都市教育委員会 高桑三男教育長の発声で乾杯が行われ、ケイ博士は参加者となごやかな雰囲気の中で歓談されました。

アラン・ケイ博士

 アラン・ケイ博士は、1940年米国マサチューセッツ州に生まれ、1966年コロラド大学にて数学・分子生物学の学士号、1968年ユタ大学にて計算機科学・心理学の修士号、1969年同大学にて計算機科学の博士号を取得されました。1970年代以降、ゼロックス社パロアルト研究所、アタリ社、アップルコンピュータ社などに籍を置かれるとともに、カリフォルニア大学ロサンゼルス校やマサチューセッツ工科大学などで教鞭を執られました。

 ケイ博士は大型の計算機コンピュータしか存在しなかった時代に、理想の個人用コンピュータとしてのハンドヘルド型小型コンピュータの概念を「ダイナブック」と名付けて、世界に先駆けて構想するとともに、パーソナルコンピューティングのパイオニアとしてSmalltalkというプログラミング言語をオブジェクト指向という革新的なアイデアにもとづいて開発されるなど、現在広く普及しているプログラミング言語などに大きな影響を与えられました。パーソナルコンピューティングおよびオブジェクト指向言語の概念は、20世紀の計算機科学における最も重要な発明であるといえます。

 これらの顕著な功績をあげる一方で、子供の教育に情熱を注いでおり、子供のための数学・科学教育用のオブジェクト指向プログラミング言語Squeakを開発し、これを用いた小学校等における情報教育実践活動を世界各国で展開されています。京都市においては本学との連携のもと、Squeakを用いて児童・生徒の創造性を伸ばし、情報化時代に対応できる能力の育成を図る「アラン・ケイ プロジェクト」を2002年度から2005年度まで実施しました。
また、ケイ博士は2003年から2006年まで、京都大学情報学研究科社会情報学専攻社会情報モデル講座情報教育環境分野(連携分野)の客員教授として、情報教育環境に関する教育研究を通じて、京都大学の情報学に関する教育研究に大きな功績を残されています。

松本総長の挨拶

関連リンク


富田情報学研究科長ら列席者

記念講演会の様子

左から松本紘総長、アラン・ケイ博士、里見朋香 教育推進部長。額縁の人物は、故・上林弥彦教授。
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