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突発性難聴に対するIGF1治療について

2010年11月30日

 中川隆之 医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師を研究代表とする、第 I - II 相臨床試験「急性高度難聴症例に対する生体吸収性徐放ゲルを用いたリコンビナント・ヒト・インスリン様細胞成長因子1内耳投与による感音難聴治療の検討」の結果が、BioMed Central(http://www.biomedcentral.com/)トップページに掲載されました。

 なお、正式な論文は、BMC Medicine 2010, 8:76に掲載され、abstractは上記トップページのLatest articlesのTopical insulin-like growth factor-1 treatment using gelatin hydrogels for glucocorticoid-resistant sudden sensorineural hearing loss: a prospective clinical trialをクリックするとご覧になれます。

研究成果の概要

 突発性難聴の標準的な治療法は、ステロイドの全身投与であるが、約20%の症例では全く効果が認められない。そこで、ステロイド全身投与が無効であった突発性難聴症例のうち発症から30日未満の症例を対象とし、生体吸収性徐放ゲルを用いてリコンビナント・ヒト・インスリン様細胞成長因子1を内耳局所投与する方法の安全性と有効性を調べる臨床試験を行った。

 結果、25症例が登録され、生体吸収性徐放ゲルを用いたリコンビナント・ヒト・インスリン様細胞成長因子1の内耳局所投与を受けた。投与12週後には、48%の症例で聴力改善が認められ、投与24週後では、56%の症例で聴力改善が認められた。重篤な有害事象は認められなかった。聴力改善は、突発性難聴発症後26日以内に試験治療を受けた症例のみに認められた。

関連リンク

 

  • 京都新聞(12月1日 24面)、日本経済新聞(12月2日 38面)、毎日新聞(12月1日 26面)および読売新聞(12月2日 3面)に掲載されました。