生きた細胞内のたんぱく質の構造と働きの観察に成功 - 細胞内たんぱく質の立体構造決定とヒト細胞でのたんぱく質観察の方法を開発 -

生きた細胞内のたんぱく質の構造と働きの観察に成功 - 細胞内たんぱく質の立体構造決定とヒト細胞でのたんぱく質観察の方法を開発 -

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用語解説

核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance, NMR)

静磁場の中に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象。この性質を利用して、NMR観測可能な原子核(   など)をその原子核が置かれている化学的環境の差によって分光することができる。
たんぱく質のような複雑な分子であっても、異種核多次元NMR法によって分子中の多数の 核のNMRシグナルを分離し、それぞれの 核同士の相互作用を詳細に解析することで、分子の立体構造や機能メカニズムなどを原子レベルで解析することができる。

異種核多次元NMR法(heteronulcear multidimensional NMR)

たんぱく質分子の詳細なNMR解析を可能にするNMR測定技術。1990年代に米国のBaxらによって開発された。たんぱく質を均一に および(いずれもNMR測定可能な安定同位体核)で標識し、1H核のNMRシグナルを、この核と相互作用する13Cおよび 核の周波数で2~4次元に展開する。高分解能スペクトルとして測定された場合、非常に多くの原子から構成されているたんぱく質分子であっても、個々の原子が分離して観測される。