瀬戸臨海実験所の実習船「ヤンチナ」をお披露目(2008年7月11日)

瀬戸臨海実験所の実習船「ヤンチナ」をお披露目(2008年7月11日)

 京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所の海洋観測研究実習船「ヤンチナ」の完成披露会が行われました。

 先の実習船「ヤンチナIII」は昭和62年に建造され、21年に亘り瀬戸臨海実験所で教育・研究に活躍してきました。近年は老朽化も進み、パワー不足で速度が出ないなど利用海域が田辺湾内に限られてきました。そうしたことから、平成19年度全学協力経費により代船の建造が認められ、この3月に完成、「ヤンチナ」と命名され4月から既に近海を航行しています。ウィンチの設置により、使える海洋測器がふえ、速度が上がったので串本湾など新たな領域をカバーできるようになりました。

 今回この「ヤンチナ」の勇姿を関係者に見てもらおうと、尾池和夫 総長、松本紘、東山紘久 両理事・副学長をはじめ京都大学関係者、田辺海上保安部、和歌山県教育センター学びの丘、白浜ロータリークラブ、白浜ライオンズクラブ等地元関係者、瀬戸臨海実験所研究員、大学院生、教職員OBの皆さんも参加して完成披露会が盛大に行われました。

 式典では、白山義久 所長の挨拶に続き、尾池総長の祝辞のほか、山本高正 和歌山県教育センター学びの丘副所長からも祝辞をいただき、その後、「ヤンチナ」の試乗会を行って参加者に新船のすばらしさを体験していただきました。また瀬戸臨海実験所の水族館等の見学会も行われました。夜には、懇親会が和やかな雰囲気の中で開催され、「ヤンチナ」の完成を祝い、未来の成果に向けて決意の場となりました。

 なお、「ヤンチナ」という船名は、アサガオガイの学名 Janthina janthina に由来しています。この巻き貝は粘液で作ったうきぶくろを持ち、その浮力を使って生涯水面で過ごします。絶対に沈まないことから、この動物の名前を船名に使っています。

尾池和夫総長の挨拶

 


左から白山所長、尾池総長、松本理事・副学長

山本 和歌山県教育センター学びの丘副所長

瀬戸臨海実験所 水族館

瀬戸臨海実験所元所長 原田英司氏

瀬戸臨海実験所が所有する畠島

防災研究所白浜海象観測所 観測塔

低潮時に畠島と陸続きになる小丸島

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