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ニュースリリース

京都大学学術情報メディアセンターにおける次期スーパーコンピュータシステムの機種決定について
2008年2月14日


左から、学術情報メディアセンターの中島 浩教授、美濃 導彦センター長・教授、岩下 武史准教授

  京都大学では次期スーパーコンピュータシステムの機種を決定し、学術情報メディアセンターにて本年6月より運用することとなりました。このたび導入する機種は、筑波大学・東京大学と共同策定した「T2Kオープンスパコン仕様」に基づくもので、ピーク演算性能61.2テラフロップス、総メモリ容量13テラバイトという、国内有数の性能・規模を持つシステムとなっています。また、個々の研究グループに一定の計算資源を年間通じて供給する新たな運用体系を導入し、全国のユーザの皆さんにより使いやすい環境を提供します。
        
1.概要
 国立大学法人京都大学(総長・尾池和夫)では次期スーパーコンピュータシステムとして、富士通株式会社製の高性能サーバHX600を416ノード結合したクラスタを中心としたシステムの導入を決定し、学術情報メディアセンター(センター長・美濃導彦)にて本年6月より運用することとなりました。このHX600クラスタは、筑波大学・東京大学と共同策定した「T2Kオープンスパコン仕様」に基づくもので、ピーク演算性能61.2テラフロップス(注1)、総メモリ容量13テラバイト(注2)という、国内有数の性能・規模を持つシステムとなっています。また、個々の研究グループに一定の計算資源を年間通じて供給する新たな運用体系を導入し、全国のユーザの皆さんにより使いやすい環境を提供することで、今後のペタフロップス級(注1)に向けた高性能計算の発展に貢献したいと考えています。


2.詳細
2.1. システム構成と運用について


次期スーパーコンピュータシステムの構成

 次期スーパーコンピュータシステムは、富士通株式会社製の高性能サーバHX600を416ノード結合した大規模並列クラスタを中心として構成されます。HX600は米国AMD社製の最新4コアプロセッサ(注4)であるOpteron 8350(コード名Barcelona)を4基搭載した共有メモリ型(注5)の高性能サーバであり、147ギガフロップス(注1)の優れた演算性能と32ギガバイト(注2)の大容量メモリを有しています。また毎秒2ギガバイトの通信性能(注3)を持つInfinibandのリンクを4本束ねた、毎秒8ギガバイトの超高速ネットワークによりサーバ間を結合することで、多数のサーバを利用する並列処理を効率的に行なうことができます。したがってHX600クラスタ全体では、ピーク演算性能61.2テラフロップス、総メモリ容量13テラバイト、ネットワーク性能毎秒3.3テラバイトという、きわめて高性能・大規模なシステムとなっています。


HX600の構成

 また次期システムには、富士通株式会社製の大規模共有メモリサーバであるSPARC Enterprise M9000を7ノード結合したサブシステムも装備されています。M9000はノードあたり128個のCPUコアと1テラバイトの大容量メモリを搭載しており、巨大なメモリ空間を必要とする応用プログラムに適しています。さらにHX600クラスタとM9000クラスタの双方からアクセスできる、総ディスク容量883テラバイトのストレージシステムも用意されており、巨大なデータの解析・生成にも対応できます。
 次期システムの運用については、大学の研究室などの研究グループごとに、それぞれが必要とする量の計算資源を年間通じて定常的に供給し、その運用コスト(電気料金など)に見合う負担を研究グループが行なうという方法に改めました。たとえばモデルケースとして、HX600の8ノード(性能1.18テラフロップス、メモリ256ギガバイト)に相当する資源を、年間100万円の利用負担金で継続的・定常的に利用できる「グループコース」を全国の学術・研究機関の方々に提供する予定です。

2.2. T2Kオープンスパコンについて
 HX600クラスタは、筑波大学計算科学研究センターならびに東京大学情報基盤センターと共同で策定した「T2Kオープンスパコン仕様」に基づくものです。この仕様は、ハードウェアやシステムソフトウェアを、一般のパソコンなどに用いられる「コモディティ技術」により実現することを特徴としており、このことが次期システムを高性能・大規模なものにすることができた最大の要因となっています。
 また今回のスーパーコンピュータ調達が3大学すべてで好結果を生んだことで、スパコン技術に関する大学間連携の重要性・有効性が立証されたと考えています。これをさらに発展させ、新たなソフトウェア技術の研究開発、コンピュータ科学と計算科学(注6)の分野間共同、高性能計算を専門とする人材育成など、今後のペタフロップス時代に向けて様々な面での3大学連携を一層強化していく計画です。

【関連資料】


 朝日新聞(2月22日 25面)、京都新聞(2月15日 25面)、産経新聞(2月28日 26面)、日刊工業新聞(2月15日 25面)及び読売新聞(2月15日 29面)に掲載されました。