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ニュースリリース

連想エンジンがひらめき思考を代行する発想支援ソフトを開発
2007年9月19日

  稲垣 耕作情報学研究科准教授らの研究グループは、京都大学発ベンチャーのAIセンチュリー株式会社(所在地:京都市)とともに、発想支援ソフト「アイデア革命」を開発しました。
 この「アイデア革命」は、今西錦司氏のグループで生まれたカード式発想支援法(川喜田二郎氏のKJ法、梅棹忠夫氏の京大式カードが有名)の伝統を引き継いだ京大式のカード型発想支援法「ハイパーマップ法」を採用し、人間のひらめき思考を代行することが可能になりました。


<概要>
 このたび京都大学発ベンチャーのAIセンチュリー株式会社(京都市)とともに、発想支援ソフト「アイデア革命」を開発しました。今西錦司氏のグループで生まれたカード式発想支援法(川喜田二郎氏のKJ法、梅棹忠夫氏の京大式カードが有名)の伝統を引き継いだ京大式のカード型発想支援法で、「ハイパーマップ法」と呼びます。

 アイデア革命の採用するハイパーマップ法は、インターネットのハイパーリンクを利用して、新開発の「連想エンジン」が人間のひらめき思考を代行することが可能です。この連想エンジンは「文脈」や「概念」を抽出することを意図して開発しました。その点が従来の検索エンジンや連想エンジンと異なっていて、新機能であると期待されます。
 グーグルやヤフーなどの検索エンジンの場合、「単語」という単位で検索を行っています。連想エンジンとして開発されている他のシステムも、一般に単語の共起回数の統計をもとに、関連性の高い「単語」を表示する方式が採用されています。
  一方、今回の発想支援ソフトにおいては、たとえば「便利なスリッパ」と入力しますと、インターネット探索結果から、「履いて歩くだけで床掃除」、「携帯にも便利なスリッパ」、「体の向き変えず履ける」など意味を持つつながりのある言葉として、関連語句が数秒で300件表示されます。人間のひらめき思考能力を代行し、人間の能力を強力に補完する新しい人工知能型の発想支援ソフトとなっています。
 従来ですと、たとえば「履いて歩くだけで床掃除」という表現は、「履いて」「歩く」「床掃除」などバラバラに分解されてしまい、人間の発想支援にあまり役立たなくなってしまいますが、文脈抽出を目標とする方式であるため、発想支援に効果的となっています。
 この新機能には、日本最初の日本語ワープロを開発したことで知られる元東芝研究所長の天野真家(あまの・しんや)湘南工科大学教授が興味を持ってくださり、今後の開発に技術協力いただけることになりました。天野教授は日本語ワープロの重要技術のほとんどを独力で開発した真の「ワープロの父」です。特許庁長官賞や科学技術庁長官賞などを受賞し、自然言語処理と機械翻訳で最も高い技術をもつ方です。
 なお、今回のソフトでは、ファイル共有ソフトWinnyなどで用いられるピア・ツー・ピア(P2P)通信方式を善用して、遠隔会議機能でハイパーマップをリアルタイム共有したり、チャット機能も設けました。レポート生成機能、アイデアの暗号化機能なども実現しています。

100校プレゼント(50本組)も
 大学発ベンチャーの社会貢献活動として、今回、「アイデア革命スクール版」(50本組)を小中高校・民族学校など100校に抽選で無償提供する予定です。非営利活動は稲垣が担当します。(http://aicentury.com/

 連想エンジン機能は非常に強力で、前記のハイパーマップを30分余りで作成できました。ほとんどのカードは連想エンジンからの提案か、それを少し修正したものです。
 このハイパーマップは、格差社会問題の一事例として「タクシー 低賃金」から出発して、たどり着いた解答は「発券タクシー」でした。タクシーの乗客は、鉄道の切符や、観光地のチケットが必要だったり、遊び場や宿泊施設などへ行きたい人が多いと思われます。タクシー無線機能によって、タクシーがチケット発行機能を提供します。いわばタクシーの情報コンビニ化です。
 従来はホテルやレストランに乗客を案内しても、タクシーの役割はそれで終わりでした。しかしタクシーは地元に詳しく、ガイド機能を備えた新たな発券ショップとなりえます。宿泊チケット発行などにより、運転手には手数料収入が可能です。
 少なくとも年間数千億円以上の規模の市場があるかと思われますが、低賃金業界から特許料をいただくわけにはいかないので、アイデアを無償公開します。
 自分が専門でないテーマであったとしても、連想エンジンの助けを借りることにより、緻密で包括的な考え方が可能になるとともに、ごく短時間で優れたアイデアに至れる可能性があるという実例かと考えます。

 学会発表:国際教育学会07年8月発表。情報文化学会誌論文採録等。


 京都新聞(9月20日 29面)、中日新聞(11月13日 18面)及び産経新聞(10月3日 24面)に掲載されました。