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ニュースリリース

家計のためのメタボ予防 体重増加は家計も圧迫。肥満による糖尿病医療費分析、体重20kgアップで医療費2.5倍
2007年8月8日

 左から、古川 雅一経済研究所研究員、西村 周三副学長

 古川 雅一経済研究所研究員らの研究グループは、「国民医療費」「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)の成人(20歳以上)のデータを活用、平均的な身長の男女を基準とし、体重の増加に伴う「糖尿病」「高血圧性疾患」医療費の増加比率を分析しました。その結果、特に男性では、体重が64.2kgから83.8kgに増加した場合、一人当たりの糖尿病による医療費は2.5倍、高血圧による医療費は1.3倍にもなることが明らかになりました。よって、ダイエットによりメタボリックシンドロームを予防することは、特に中高年男性にとっては健康のためだけでなく将来の節約のためにも重要であること判明、既婚女性には家計の視点からも夫のダイエットに積極的に取り組んでもらうことが期待されています。


体重増加に伴う糖尿病や高血圧性疾患の医療費の変化に関する研究


研究責任者  経済研究所 研究員 古川雅一
共同研究者 副学長 西村周三


【研究成果の概要】
 最新の国民健康・栄養調査結果によると、日本人の男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者又は予備群と考えられる者と指摘されている。また、男性の肥満者(BMI25以上)は、すべての年齢階級で増加、特に、40歳代男性の肥満者は21.4%(昭和60年)から34.1%(平成17年)に、50歳代男性の肥満者は19.8%(昭和60年)から31.4%(平成17年)に大幅に増加、女性の場合も30歳代で増加がみられる。
 本研究では、体重増加に伴う一人当たりの医療費の増加割合を示すことを目的に分析を行った。分析には国民健康・栄養調査の個票データ、および国民医療費データを用いた。分析対象疾患は肥満の代表的合併症でもある糖尿病と高血圧性疾患である。リスク因子を一定基準以上のBMIとし、リスク因子保有者に対する糖尿病や高血圧性疾患の医療費を推定した。そして、平均的な身長の男女を基準とし、体重の増加に伴う糖尿病医療費と高血圧性疾患医療費の変化を算出した。
 その結果、平均的な身長の男性の場合、体重が 64.2kgから83.8kgへと約20kg増加すると、一人当たりの糖尿病医療費は2.5倍に、高血圧医療費は1.3倍になることがわかった。平均的な身長の女性の場合は、体重が54.3kgから70.9kgへと約16kg増加すると、同様の医療費の増加が生じることがわかった。
 また、同じく平均的な身長の男性の場合、体重が69.8kgから83.8kgへと約14kg増加すると、一人当たりの糖尿病医療費と高血圧医療費はともに1.2倍になることがわかった。女性の場合は、体重が59.1kgから70.9kgへと約12kg増加すると、同様の医療費の増加が生じることがわかった。

○本研究は厚生労働省厚生労働科学研究費補助金「子ども家庭総合研究事業」の助成のもと実施した。

【本件に関する問い合わせ】
 京都大学 経済研究所 先端政策分析研究センター
 研究員 古川雅一 furukawa≪アットマーク≫kier.kyoto-u.ac.jp
 (メール送信時は≪アットマーク≫を@に変えてください。)


 朝日新聞(8月10日 31面)、京都新聞(8月9日 26面)、日本経済新聞(8月9日 38面)、毎日新聞(8月9日 2面)及び読売新聞(8月9日 29面)に掲載されました。