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ニュースリリース

分節時計におけるHes7オシレーションの開始と伝搬はFgfおよびNotchシグナルにより協調的に制御される
2007年8月7日

  影山 龍一郎ウイルス研究所教授らの研究グループの研究成果が、8月6日(月曜日)付け米国科学誌「デヴェロップメンタル セル(Developmental Cell)」誌に掲載されることになりました。

<背景>
 われわれ人間の体は、脊椎や肋骨などの規則正しい節構造を持っている。これらの元になるのが体節と呼ばれる発生過程の組織で、頭側から尾側に向かって周期的に形成される。この周期性は分節時計によって作られるが、そこではNotchシグナル、Fgfシグナル、Wntシグナルに属する多数の因子が、未分節中胚葉という体節を生み出す組織において規則正しい発現振動(オシレーション)を起こしている。
 本研究室は、今までに、未分節中胚葉で規則正しく発現オシレーションしている転写因子Hes7を同定した。また、遺伝子欠失マウスや過剰発現マウスを解析することによって、Hes7のオシレーションが規則正しい体節形成に必須であることを明らかにしてきた。さらに、Hes7はNotchシグナルの修飾因子であるLfngとHes7自身の転写抑制を周期的に行うことによってオシレーションを引き起こすことも明らかにしてきた。しかしながら、Hes7やLfngを含むNotchシグナルの時計が、他の時計、特にFgfシグナルの時計とどのように関わっているかは分かっていなかった。


<成果と展望>

分節時計のメカニズム
 本研究チームは、Hes7オシレーションはFgfシグナルによって起動されてNotchシグナルによって推進されること、またHes7はFgfシグナルの抑制因子であるDusp4の発現を周期的に抑制することでNotchシグナルとFgfシグナルのオシレーションを同調させることを明らかにした。すなわち、Hes7オシレーションはFgfシグナルとNotchシグナルによって協調的に制御されるが、逆にHes7はFgfシグナルとNotchシグナルの二つの時計の間の橋渡し的役割を担っていることが分かった。本研究成果は、これらの時計の異常などにより生じ重篤な脊椎形成不全を示す先天性疾患spondylocostal dysostosis(SCDO)の原因解明への手がかりになると思われる。


 京都新聞(8月7日 3面)、科学新聞(8月31日 2面)、産経新聞(8月7日 25面)、日刊工業新聞(8月7日 24面)及び読売新聞(8月7日夕刊 18面)に掲載されました。