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ニュースリリース

SiCエピタキシャル膜成長装置による量産技術確立に目処!
〜複数枚のSiCウエハの一括処理を実現〜

2007年6月11日


 京都大学、東京エレクトロン株式会社およびローム株式会社は、従来から3者共同にて実施してきたSiC(シリコンカーバイド:炭化珪素)パワーデバイスの研究開発において、将来の実用化に向けて大きく踏み出す、「量産型SiCエピタキシャル膜成長試作装置」によるSiCウエハの複数枚一括処理技術を国内で初めて確立いたしました。

 今回確立したSiCウエハの複数枚一括処理技術は、昨年8月に京都大学桂キャンパスのローム記念館にエピタキシャル膜成長装置の試作機を設置してから、わずか10ヶ月という短期間でプロセス開発を完了したものです。技術開発にあたっては、SiCにおいて世界の第一人者である京都大学大学院工学研究科の木本恒暢教授(エピ装置成膜プロセスの要素技術)の指導のもと、東京エレクトロン株式会社の量産装置開発技術とローム株式会社のプロセス、デバイス評価技術を融合し、実用化に向けたプロセス開発に取り組んでまいりました。その結果、SiCデバイスの高信頼性、高歩留まり確保に不可欠の要素である膜厚とドーピング濃度の高い均一性を実現したことにより、安定したエピ膜成長を複数枚で一括処理できる技術を確立しました。
 また今回の技術では、高純度の成膜環境(鉄、銅、ナトリウムなどの不純物成分0.1ppm以下)や、低パーティクル(0.13μm以上のパーティクルが60個以下)という高品質なエピ膜成長を実現しています。さらに、シミュレーション技術を駆使し、コイル形状やガス導入ノズルに新技術を盛り込んだ誘導加熱を用いて選択的にSiC基板付近のみを高精度に加熱制御できるシステムを導入、高均一なエピ成膜及び窒素ドーピングを実現しました。
 これにより世界最高水準の高性能SiCデバイス実現につながる技術が確立したことになります。

左から、木本 恒暢 京都大学大学院工学研究科教授、久保寺 正男 東京エレクトロン株式会社取締役 常務執行役員、高須 秀視 ローム株式会社取締役 研究開発本部長、松重 和美 京都大学副学長 国際イノベーション機構長


 高耐圧、低損失性という特長を持ったパワーデバイスとして期待されるSiCデバイスは自動車やコンピュータ、産業機器、送電などのあらゆる分野において省エネルギー化に貢献する地球環境にやさしいデバイスとして今後ますますの市場拡大が期待されています。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構委託による「次世代パワー半導体デバイス実用化調査」報告書(平成15年3月)によると、高性能SiCパワーデバイスの実用化が進めば、2020年には年間約200億kWhの省エネが実現できると予測されています。これは原子力発電所数基の発電量に相当する莫大な省エネ効果です。
 3者では、本件に関する共同研究をさらに推し進め、さらなる結晶欠陥の低減、成膜の生産性向上によって高い品質と低コストを実現したSiCデバイスの実用化を目指してまいります。

 なお、この成果は本年6月18日〜19日に大阪で開催される「SEMI FORUM JAPAN2007」において発表される予定です。


<参考資料>

1)新規エピ装置を用いて作成したエピ膜の面内均一性


2)今回の装置を用いて作製したショットキーバリアダイオードの耐圧分布




 EE Times Japan(Web)(6月11日)、Electronic Journal Daily News(メールマガジン)(6月15日)、EPリサーチ社(Web)(6月12日)、電波新聞(6月12日 1面)、日刊工業新聞(6月12日 25面)、日経エレクトロニクス・ニュース(Web)(6月11日)及び日経産業新聞(6月12日 11面)に掲載されました。