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ニュースリリース


◆研究成果の概要

 従来、ごみ焼却でのダイオキシン生成には銅などが関与していると推定されてきましたが、その具体的な役割は明らかになっていませんでした。
 今回、高岡助教授らのグループでは、ダイオキシン類がごみ焼却中に再合成される環境(300〜400℃)で、焼却飛灰中の銅化合物の変化をSPring-8のXAFSビームラインBL01B1でのX線吸収微細構造(XAFS)分析でその場観察を行いました。その結果、ダイオキシン類の生成過程で起こっていると考えられている銅化合物の化学反応過程を捉えることに成功し、次の知見を得ることができました。

  • ダイオキシン類が再合成される温度域(300℃前後)では、酸化雰囲気にもかかわらず銅化合物が還元され、塩化第一銅(CuCl)が生成した。
  • この現象は実飛灰と模擬飛灰の1つで観察されたが、模擬飛灰によっては塩化第一銅(CuCl)が生成しないものもあった。
  • 従って、条件によっては、銅の触媒サイクルを断ち切り、銅の化学変化をコントロールすることにより、ダイオキシンの生成を抑制できる可能性がひらけたといえる。

 今後さらに模擬飛灰などでの実験を重ねて銅の化学変化とダイオキシン類の生成量との関係についてデータを積み重ねることによって、抜本的なダイオキシン生成抑制法の開発につながるものと期待されます。


図1:ダイオキシン類がごみ焼却中に再合成される環境(300〜400℃)での焼却飛灰中の銅化合物の変化
1価の銅化合物 2価の銅化合物