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輝け!京大スピリット

2018年春号

輝け!京大スピリット

いつか「できる自分」を夢みて

体操部 主将(平成29年度)
島元謙吾さん
医学部3回生

島元謙吾さんの写真

「総合体育館の地下」という情報さえあれば、体操部の練習場所へは迷うことなくたどりつける。階段を降りるとすぐに、広々としたフロアに並んだ鉄棒や平均台、つり輪などの器具が目にとびこんでくるからだ。「器具は常設しているので、開館時間内ならいつでも練習できます。強豪校並みの環境ですよ」。主将の島元謙吾さんは誇らしげに語る。重い器具を倉庫から出して、組み立てる必要がないので、練習時間を確保しやすく上達も早いというわけだ。それを裏づけるように、2017年の七大戦で男子は二連覇を達成。「特殊な技能が求められるという先入観で、敷居の高いスポーツに思われがちですが、部員の半分は大学からのスタートです。真剣に取り組めば、確実に上達できます」。ことばの節々に情熱が宿る。話を聞くうち、その発信源がみえてきた。

「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」。日本中が歓喜した2004年アテネ五輪での体操ニッポンの復活に、当時小学生の島元さんは魅了された。高校入学後は体操部に入部。体操に没頭できるとよろこんだのもつかのま、部員は3年生3人と島元さんのみ。その3年生も、夏休み前に引退。「それから2年間、先輩も同期も顧問もいない状態で、広い体育館の片すみで黙々と練習する毎日でした」。練習方法は他校の選手の見よう見まね。それでも、不思議とつらくはなかった。「宙返りや倒立を確実にマスターしたときはうれしかった。どちらも基礎的な技ですが、努力をすれば成長できると実感できた」。体操への熱は冷めることはなく、練習環境が整う京都大学に進学。

「入学してからの上達度は高校時代とはくらべものになりません」。得意の吊り輪ではC難度のヤマワキにも挑戦できるほどに。「仲間からの指摘や、練習動画のチェックをとおして微修正を重ねています。ヤマワキはまだ形にすらなっていませんが、いずれはかならず自分のものにしたい」。確実にこなせる技で構成する本番とは違い、練習では高難度の技に重点的に取り組む。失敗、失敗、失敗の連続だ。しかし、けっしてあきらめない。「体操は点数で優劣をつけますが、自分がどれだけ納得できるかがだいじ。できない技を修得できたときの喜びは、なにものにも代えがたいですよ」。

体操部の練習の様子

男子6種目、女子4種目のすべての器具が常設されており、21時の消灯まで自由に練習することができる。「授業のあいだの空き時間にも練習に取り組むことができます」

七大戦時の集合写真

七大戦時の集合写真。「団体戦は、自分が不得意な種目を、ほかの部員がカバーしてくれるのが魅力です」

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