「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ25「時を考える」第2回を開催しました。(2017年5月25日)

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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ25は、「時を考える」をテーマに東京オフィスで開催しました。

シリーズ25の第2回は、「被災地の時間/未被災地の時間」と題し、岡田知弘 経済学研究科教授が講演を行いました。

岡田教授は、まず被災地の「今」をどのように考えるのかについて、前復興大臣の発言等を例に挙げ、「首都圏」からみた「東北」(あっち)認識や復興進捗の「時間認識」にズレがあることを説明しました。また、東京オリンピック誘致を機にした首都圏での建設投資の急増が、被災地での資材不足、人員不足等をまねき復興の遅れを加速させていることを現地での写真を交えながら解説し、一国の政治経済中枢が集中する「首都」の視点とのズレが、被災地での生活再建の遅れに影響していることに言及しました。そして、気仙沼市の「GANBAARE(ガンバーレ)」と女性従業員の活躍を紹介し、災害復興の鍵となるのは、被災地でのインフラの復興に加え、地域産業復興と生活復興の併進が必要不可欠であると、地域の多様性によって要請される災害復興をめぐるタイムラインに焦点をあてて述べました。

来場者は、現地でのフィールド調査で得た写真やデータを基に、被災地の状況について講演する岡田教授の話に、熱心に耳を傾けていました。

講演する岡田教授

会場の様子