「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ22「世界とつながる日本の問題 -憲法・格差・環境・食-」第1回を開催しました。(2016年5月12日)

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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ22は、京都大学東京オフィスの丸の内への移転を記念し、「世界とつながる日本の問題 -憲法・格差・環境・食-」をテーマに開催しました。

シリーズ22の第1回は、「立憲民主主義の国際化と日本国憲法-公布70年の今-」と題し、毛利透 法学研究科教授が講演を行いました。

毛利教授は、まず、立憲主義と民主主義という近代国家の二つの基本原理について話しました。アメリカ合衆国憲法やフランス人権宣言などにも触れながら、19世紀頃からの憲法によって権力行使を規律することが文明国の証とされていったこと、第2次世界大戦後に、人権思想が普遍的妥当性を持つという考え方が広がったことなど、歴史的、国際的な視点から説明しました。そして日本国憲法もその流れの中で生まれたものと理解すべきとしながら、日本国憲法の特徴である9条の平和主義、戦力の不保持などについて、今日的な憲法問題である集団的自衛権と合わせて論じました。さらに、ヘイトスピーチに関して、その規制と合憲性について、立憲主義憲法の普遍的規定である表現の自由との関係から話しました。

会場の様子

講演する毛利教授