研究成果

可溶性免疫チェックポイント分子(sPD-1、sPD-L1、sCTLA-4)の全自動測定法を構築


2019年09月25日


     本庶佑 高等研究院副院長・特別教授は、シスメックス株式会社と共同で、可溶性免疫チェックポイント分子(sPD-1、sPD-L1、sCTLA-4)の全自動測定法を構築しました。

     免疫チェックポイント分子とは、体内の免疫レベルを一定に維持するために、免疫機能を活性化したり抑制したりする働きを持つ複数の分子(タンパク質)の総称です。免疫チェックポイント分子は、自己免疫疾患や、がんの免疫逃避に関わっていることが知られています。

     本庶特別教授は、体の免疫機能を調べてがんや自己免疫疾患の診断や予後判定につなげるため、通常では細胞膜表面に存在する免疫チェックポイント分子(PD-1、PD-L1、CTLA-4)の一部が、可溶性免疫チェックポイント分子(sPD-1、sPD-L1、sCTLA-4)として血液中にも存在することに着目しました。多くの研究者によって、がんや免疫疾患と血液中に存在する可溶性免疫チェックポイント分子との関連について検証が進められていますが、血中可溶性免疫チェックポイント分子の量が少ないことから、正確に測定することが困難でした。

     そこで、本研究グループは、血中可溶性免疫チェックポイント分子の測定が可能な高感度免疫測定法として、「研究用全自動高感度免疫測定装置 HI-1000」を用いた可溶性免疫チェックポイント分子の全自動測定法を構築しました。本測定法は、測定原理に化学発光酵素免疫測定法(CLEIA:Chemiluminescence Enzyme Immunoassay)を活用し、測定手技を全自動化することにより、可溶性免疫チェックポイント分子の測定を17分で可能にするとともに、高い感度と再現性を実現しました。これにより、患者の負担が少なく、簡便に免疫状態を把握することが可能になります。

     本研究成果は、2019年7月12日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載され、同年9月より本測定法を用いた研究用受託サービスが開始されました。

    図:本研究の概要図

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41598-019-46548-3

    【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/244073

    Megumi Goto, Kenji Chamoto, Keiko Higuchi, Saya Yamashita, Kenta Noda, Takuya Iino, Masahiro Miura, Toshinari Yamasaki, Osamu Ogawa, Makoto Sonobe, Hiroshi Date, Junzo Hamanishi, Masaki Mandai, Yoshimasa Tanaka, Shunsuke Chikuma, Ryusuke Hatae, Manabu Muto, Sachiko Minamiguchi, Nagahiro Minato and Tasuku Honjo (2019). Analytical performance of a new automated chemiluminescent magnetic immunoassays for soluble PD-1, PD-L1, and CTLA-4 in human plasma. Scientific Reports, 9, 10144.

    • 日刊工業新聞(9月26日 3面)および毎日新聞(9月26日夕刊 9面)に掲載されました。

    可溶性免疫チェックポイント分子(sPD-1、sPD-L1、sCTLA-4)の全自動測定法を構築
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