超高温地熱環境でのハイドロフラクチャリング実験で 透水性き裂ネットワークの形成を発見 -地熱エネルギー・フロンティアへのアクセス技術として期待-

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陳友晴 エネルギー科学研究科助教、渡邉則昭 東北大学准教授、坂口清敏 同准教授、駒井武 同教授、土屋範芳 同教授、後藤遼太 同修士課程学生、三浦崇宏 同修士課程学生、山根宏太 同学部生(研究当時)、石橋琢也 国立研究開発法人産業技術総合研究所研究員らの研究グループは、発電に利用可能な超臨界水や過熱蒸気の生産が期待される400℃以上の地下環境(超高温地熱環境)における地熱貯留層(透水性き裂ネットワーク)造成の可能性を検討するため、(株)東栄科学産業と共同で開発した特殊な実験システムを用いて、花崗岩のハイドロフラクチャリング(水圧による岩石破砕)実験を実施しました。

本研究の結果、岩石内に、地熱貯留層としての利用が期待できる、高密度に分布した微小き裂からなる透水性き裂ネットワークの形成を発見しました。この現象は、超高温地殻中に広く密に水の流路を形成することから、超臨界水や過熱蒸気の生産を増進するための技術への応用が期待されます。

本研究成果は、2019年1月30日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。

図:450℃でのハイドロフラクチャリング実験後の花崗岩サンプル内に形成された高密度に分布する微小き裂からなる透水性き裂ネットワーク。

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41598-018-37634-z

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/236175

Noriaki Watanabe, Kiyotoshi Sakaguchi, Ryota Goto, Takahiro Miura, Kota Yamane, Takuya Ishibashi, Youqing Chen, Takeshi Komai & Noriyoshi Tsuchiya (2019). Cloud-fracture networks as a means of accessing superhot geothermal energy. Scientific Reports, 9:939.