失敗から成功を生み出す必要条件を提示 -教育現場で失敗を成果につなげた15のケース-

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公開日

エマニュエル・マナロ 教育学研究科教授とマヌ・カプール スイス・チューリッヒ工科大学教授は、世界各国の研究者と共同で、教育現場において失敗を成功につなげる必要条件を提示しました。
本研究成果は、2018年6月2日に、国際学術誌「Thinking Skills and Creativity」のオンライン版に掲載されました。

研究者からのコメント

マナロ 教授

この「Thinking Skills and Creativity」に収録された論文から、私たちは教育現場で効果的に失敗を活用する確固たる方法論とガイドラインを学ぶことができます。この方法論とガイドラインは、失敗の経験を成功へと転換することができるという点で重要なものです。日本など多くの国では「失敗への恐怖」が多くの人を萎縮させていますが、この特集号は、教育に携わる人にそのような状況を改善する道しるべとなることでしょう。

概要

本研究グループは、国際学術誌「Thinking Skills and Creativity」の特集号として「思考スキルと創造性の促進における失敗の役割」と題する論文集を発表しました。そこでは、本研究グループの巻頭論説に加え、アメリカ、スイス、イギリス、イスラエル、台湾、オーストラリア、日本の研究者による15篇の論文が収録され、数学・科学・芸術・音楽などの伝統的な科目から、ロボット工学、ビデオゲーム、メーカー教育、電子テキスタイルデザインなどの新しい科目に至るまで、幅広い科目における失敗のメリットが、教育現場での具体例とともに示されました。

本研究は、「失敗は成功の母」ということわざの通り、生徒や学生が失敗から学び、その恩恵を受けるために必要な条件を明確に提示しています。

本研究成果を指針とすることによって、子どもたちが失敗から学ぶための態度や能力を育成し、支援する教師のスキルを向上させ、教育環境を整えることが可能になると期待されます。

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詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1016/j.tsc.2018.06.001

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/235678

Emmanuel Manalo, Manu Kapur (2018). The role of failure in promoting thinking skills and creativity: New findings and insights about how failure can be beneficial for learning. Thinking Skills and Creativity, 30, 1-6.