J-PARCセンター京都大学分室を設置しました。(2017年2月22日)

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本学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、2010年度に締結した連携・協力の推進に関する基本協定に基づき、両機関の更に緊密な研究協力関係を構築するため覚書を取り交わし、KEK東海1号館(茨城県那珂郡東海村)にJ-PARCセンター京都大学分室を設置しました。

覚書締結式は、KEKと日本原子力研究開発機構(JAEA)が共同運営するJ-PARCセンター(大強度陽子加速器施設)で執り行われ、湊長博 理事・副学長と岡田安弘 KEK理事が覚書に署名しました。

岡田理事より、地球が誕生して、どのように物質や生命が生まれ、多様性がどのように進んできたのかを探究し物質の起源に迫り、大強度ビームで新しい価値観を求めるJ-PARCセンターの独創的な取り組みについて紹介があった後、京都大学分室の設置を記念して、齊藤直人 J-PARCセンター長から「京都大学J-PARC分室の設置にあたって -大強度ビームで世界を繋ぐ!-」とのタイトルで概要説明があり、J-PARCと本学が協力することで、基礎科学から産業応用まで研究対象がさらに広がり、人材育成が活発となる期待が述べられました。また、「J-PARCにおける京都大学の核心的貢献」の代表例として、中家剛 理学研究科教授によるニュートリノ実験施設でのT2Kニュートリノ実験、KOTO k中間子稀崩壊実験、永江知文 理学研究科教授によるハドロン実験施設でのハイパー核実験、ハドロン実験など、J-PARCでの本学教員が中心的に活動する研究の紹介があり、本学のホームグラウンドとして共同で新しい取り組みを生み出していくためにも、分室の設置は有益でありおおいに歓迎である旨が述べられました。

締結式の後、J-PARCの代表的な施設であるハドロン実験施設、物質・生命科学実験施設(MLF)、ニュートリノの視察が行われ、MLFでは金谷利治 MLFディビジョン長(本学化学研究所元教授)から、本学と共同で設置した装置による革新的な研究成果が披露されました。

その後、分室が設置されるKEK東海1号館に移り、湊理事・副学長による京都大学分室の看板掲揚が行われました。

概要説明をする齊藤センター長

湊理事・副学長、岡田理事による覚書の締結

ハドロン実験施設での研究機器の説明

金谷ディビジョン長による機器構成の説明

東京大学のスーパーカミオカンデにつながるニュートリノ施設の見学

湊理事・副学長による看板掲揚