京都大学学生チームが、合成生物学の世界大会iGEM(アイジェム)2014で金賞を受賞しました。(2014年10月30日~11月3日)

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iGEM開催10周年の iGEM Giant Jamboreeが、ボストンのHyness Convention Centerで5日間にわたって行われ、32か国から245の大学チームが参加しました。日本からも、東京大学、東京工業大学など計10チームが参加しました。本学も、理学部、農学部、薬学部、医学部、教育学部の学部1、2回生が主体となり京都大学チーム「iGEM Kyoto2014」として参加しました。

大会では、各参加チームが大腸菌や枯草菌などを用いたテーマで行った実験結果の考察などの成果を英語でのプレゼンテーション、ポスターセッション、Wikiと呼ばれるWebページを通して発表し、自分たちで作った遺伝子パーツの性能やテーマの独創性・実現性を競い合いました。その結果、本学チームは金賞を受賞しました。

2014年度のテーマ

2014年度の「iGEM Kyoto」のテーマは二本立てです。一つは、磁性細菌という体内に磁性鉱物を持っている細菌に注目したものです。マグネトソームと呼ばれる磁性細菌特有の細胞内小器官を大腸菌内に再現しようというもので、実際に大腸菌内にマグネトソーム様小胞を作り、電子顕微鏡を用いて、小胞の発現をとらえることに成功しました。

もう一つは、雲の凝結核のもととなる物質を大腸菌に形成させようというプロジェクトです。このような物質はいくつも知られているのですが、その中でもDMS(ジメチルスルフィド)に注目した我々は、メチオニンからDMSまでの生合成経路を大腸菌内で構築することを目標とし、その第一段階の構築に成功したことを確認しました。

実験の様子

ポスター発表の様子

会場の全体写真

iGEMとは

iGEM(iGEM: The International Genetically Engineered Machine competition)とは合成生物学の発展と学部生教育を目的とする世界大会です。参加するチームは、自由な発想のもとテーマを決めて実験を行い、その成果を英語でのプレゼンテーション、ポスターセッション、Wikiと呼ばれるWebページを通して発表し、テーマの独創性・実現性を競い合います。さらには、合成生物学が抱える倫理面や安全面などのさまざまな問題に対する活動も行います。

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