学術情報メディアセンターセミナー 「ビッグデータと生命科学」

開催日
2015年12月22日 火曜日
時間
16時30分~18時00分
ターゲット
要申し込み
不要
公開日

 学術情報メディアセンターでは、月に一度、各分野でご活躍の講師をお招きし、それぞれの研究開発活動の内容や現在抱えている課題についてご紹介いただき、参加者を含めて広く議論を行う機会として、月例セミナーを開催しています。

 今回の学術情報メディアセンターセミナーでは、大浪修一 理化学研究所生命システム研究センターチームリーダーと、田中司朗 京都大学医学研究科准教授が講演します。学内外を問わず多数の方のご参加をお待ちしています。

基本情報

開催地
  • 吉田キャンパス
学術情報メディアセンター 南館2階 202マルチメディア講義室
http://www.media.kyoto-u.ac.jp/ja/access/#s_bldg
対象
  • 企業・研究者の方
教職員、学生、一般の方

イベント内容

プログラム

16時30分~17時30分

講演者:

大浪修一(理化学研究所生命システム研究センター 発生動態研究チーム・チームリーダー)

講演題目:

データ駆動型解析による多細胞生物の発生メカニズムの解明

講演概要:

ライブイメージング技術の近年の著しい発展により、生命科学分野では現在、1分子から細胞、器官、個体までのさまざまなスケールでの生命現象に関する4次元(3次元+時間)の動画像データが大量に生産されています。このような動画像データの生産の急増を受けて、現在の生命科学分野では「バイオイメージ・インフォマティクス」と呼ばれる、生命科学分野の画像・動画像の生成、解析、管理、可視化等に関連する情報科学技術の研究開発分野の重要性が急速に増大しています。「バイオイメージ・インフォマティクス」が生命科学研究にもたらす最大のインパクトは、生命現象の動態に関する時空間的な定量計測データの大規模な生産であると考えられます。細胞や器官、個体などの4次元の動画像データに画像認識技術を適用することにより、細胞の位置や形態の変化、細胞の遺伝子の発現量の変化などの生命現象の動態を定量的かつ高スループットに計測することができます。これらの大規模データを最大限に活用することにより、生命科学分野では今後、動的システムとしての生命の理解を中心としたデータ駆動型の研究が発展することが期待されています。本講演では、「バイオイメージ・インフォマティクス」が可能にしたデータ駆動型の新しい生命科学研究の具体例として、線虫C. elegans初期胚の細胞分裂動態の大規模データを活用した我々の研究を紹介します。さらに、データ駆動型の新しい生命科学の促進を目的に我々が進めているデータベース統合化のプロジェクトについて紹介し、生命科学の今後の展望について議論します。

17時30分~18時00分

講演者:

田中司朗(京都大学医学研究科社会健康医学系 准教授)

講演題目:

医療健康情報データベースと統計学

講演概要:

2010年代の医学で特筆すべきなのは、介入研究から観察研究へのパラダイムシフトが起こりつつあることです。医療分野には、電子カルテ、診療報酬情報、薬局調剤情報、健康診断、介護保険など、さまざまな既存のデータベースが存在し、近年のIT技術の進歩とともに、データベースを利用した医学研究(観察研究、疫学研究)が急速に増えつつあります。本講演では、医療健康情報データベースの研究への活用事例を紹介し、それと統計学との関わりについて述べます。

申し込み

申し込み方法
不要
お問い合わせ
学術情報メディアセンター 小山田耕二
Tel: 075-753-7444
E-mail: koyamada*viz.media.kyoto-u.ac.jp (*をを@に変えてください)