西田幾多郎旧住居の解体保全作業が行われました。(2016年6月8日)

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林晋 文学研究科教授、市川秀和 福井工業大学教授らは、西田幾多郎の旧住居が取り壊されるのに伴い、一部の解体保存作業を行いました。本学総合博物館にこの外廊下と書斎の一部が保存されます。

西田は、東洋的思想の地盤の上で西洋哲学を摂取し、「西田哲学」と呼ばれる独自の哲学を築き上げました。その哲学は、近代日本における最初の独創的な哲学と評され、周囲に有能な同僚、門下生を集め、いわゆる「京都学派」の基礎を築きました。今回解体されるのは西田が大正元年から大正11年まで住んだ家であり、この時期は京都学派が形成される時期と重なります。

京都市内の「哲学の道」を散歩しながら考えたことで有名な西田ですが、この時期にはまだ晩年の散歩の習慣はなく、思索に詰まると、この家の2階外廊下(縁側)を往復しながら哲学と格闘するように思考したと記録されています。いわば「哲学の廊下」です。

今後、この「哲学の廊下」はグーグル・ストリートビューで、文化財の写真として近日中に公開されます。これにより、西田が歩いた廊下を同じように歩きまわる疑似体験ができるようになります。また、今後、保管された部材や記録などを使い、西田の「哲学の現場」を、広く一般に親しんでいただくための展覧会を行うことを予定しています。

西田旧住居外観

内部のパノラマ写真(西田思索の場所:書斎と二階外廊下)

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西田幾多郎旧住居と、その一部保全 -京都学派形成と悲哀の哲学の現場-