インドネシアのボゴール農業大学(IPB)で京都大学サテライトオフィス設置の開所式と留学説明会を同日開催しました。(2015年11月16日)

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農学研究科および地球環境学堂は、インドネシア共和国ボゴール市のボゴール農業大学(IPB)ダルマガキャンパスに京都大学サテライトオフィスを設置し、その開所式をIPBとともに開催しました。

IPBは、文部科学省が支援し地球環境学堂が主導する「海外サテライト形成によるASEAN横断型環境・社会イノベーター創出事業」における、本学のパートナー機関にあたります。サテライトオフィスは、その事業の一環として設置されたもので、農学研究科がIPBと協力して管理・運営します。両大学間のダブルディグリー修士課程や、共同研究などに活用されることが期待されています。

開所式には、IPBから Herry Suhardiyanto IPB学長、Agus Purwito 同農学部長を始め、関係する幹部・教職員・学生が参加しました。本学からは藤井滋穂 地球環境学堂長、宮川恒 農学研究科長、家本太郎 国際交流センター准教授、藤枝絢子 ASEAN拠点副拠点長ら12名の教職員が出席しました。

来賓として、ヤンマー株式会社から、同社が2014年にIPB内に設立した「Yanmar Agricultural Research Institute – IPB」の松原武夫 同所長が参列しました。同研究所は、本事業をはじめとしたインドネシアにおける両学の国際・産官学連携に深く関わっています。愛媛大学からは、倉本誠 愛媛大学准教授が参列しました。倉本准教授は、近藤直 農学研究科国際交流委員長が代表を務める国際プロジェクトの共同研究者で、インドネシアなどアジア諸国を対象とした調査において本学と密接に協力しています。

Agus部長による開会の挨拶に続いて、宮川研究科長は「これから始動するダブルディグリープログラムは、新サテライトオフィスの目玉とも言える活動。本事業はこれに留まらず、修了後には双方の言語での実務もこなせるようになる人材の輩出も目指すもの。こうした未来志向の試みは、これまで何十年にもわたって築いたIPBとの協力関係があってこそ」とし、本学農学研究科を卒業してIPBの教員となった Supiandi Sabiham 元IPB農学部長、Ernan Rustiadi 前IPB農学部長、Bambang Saharjo 前IPB林学部長をはじめとする多くの共同研究者らへの謝意を示しました。これまでの交流について、宮川研究科長は「農学研究科が部局レベルで締結した学術交流協定としては、IPBとのものが世界で2番目に、アジアでは最も古く、学生交流協定は世界で最初のものだった。これら協定に基づき、土壌・作物学、林学、農村・地域計画学、環境デザイン学、果樹園芸学、生物センシング工学など、幅広い分野で共同研究が盛んに行われてきた」と振り返り、その成果を最大限に活かして農学分野をともに発展させていきたい旨を述べました。藤井学堂長は、本事業の成功に欠かせない要素として、双方の機関にまたがって活動する教員の雇用制度(クロスアポイントメント)を挙げました。「この制度自体が本学で導入されて間もないが、それを早くも海外機関とのプロジェクトにおいて適用しようとしている。海外サテライトの形成は、こうした新しい試みを可能にし、持続させるもの」とし、サテライトオフィスが本学と IPB間の連携を更に加速し、さまざまな交流に活用されることに期待を寄せました。Herry学長からの式辞に続いて、同オフィスの除幕と披露が行われ、開所式は終了しました。

その後、本事業にかかるさまざまな契約や取り決めについての協議が、サテライトオフィスにおいて関係者間で行われました。

午後は、本学への留学についての説明会が同キャンパス内講堂で行われ、主にIPBの農学部・林学部・農業工学部の学生350名ほどが参加しました。パネルディスカッション形式での質疑応答では、予定終了時刻を30分過ぎても質問が続きました。時間を気にせず質問ができる場として、IPBと農学研究科で共同運営するFacebookグループページの紹介もした上で、約3時間にわたる留学説明会を終えました。

Herry学長への表敬の様子

表敬後の集合写真

IPB農学部

開所式の様子(地球環境学堂の博士後期課程を修了し、IPB教員となった Andrea Emmaさん(右奥)による司会)

開所式後の集合写真

IPB農学部内に設置された京都大学サテライトオフィス

新オフィス内の会議スペース(ビデオ会議システム設置予定)

留学説明会の受付の様子

近藤国際交流委員長による司会

留学説明会の様子

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