セクション

大学院の種類

学部を持つ大学院

 京都大学の10 の学部は,それぞれが大学院を備えています。正確にいえば、大学院重点化が行われた現在は、大学院が主たる組織であり、そこが学部教育も提供しているという形になります。学部とつながる大学院は、総合人間学部と統合した人間・環境学研究科、文学研究科、教育学研究科、法学研究科、経済学研究科、理学研究科、医学研究科、薬学研究科、工学研究科、農学研究科です。それぞれが、学士課程(学部)の教育と連続した、高度な研究と教育をおこなっています。

独立研究科

 京都大学には学部を持たない大学院課程、すなわち独立研究科が5つあります。エネルギー科学研究科、アジア・アフリカ地域研究研究科、情報学研究科、生命科学研究科、地球環境学舎、がそれにあたります。いずれの研究科においても多様な学部の卒業生を受け入れ、複合的学域の創出・深化に携わる研究者や実務家の養成を主眼にした大学院教育の体系化をめざしています。
  エネルギー科学研究科では、エネルギー持続型社会形成を目指して、理工系に人文社会系の視点を取り込みつつ学際領域としてエネルギー科学の学理の確立をはかり、地球社会の調和ある共存に寄与する、国際的視野と高度の専門能力をもつ人材を育成することをめざしています。
  アジア・アフリカ地域研究研究科では、これまでの京都大学での地域研究の伝統をもとに、大学院5年一貫教育でフィールドワークを重視し、地域の現場での生活を通して問題を発見し、生態・社会・文化が複合する地域の実態の調査研究を進めていく地域研究者や国際貢献できる実務者の育成を目的としています。
  情報科学研究科では、自然および人工システムにおける情報に関して、その生成や認識、伝達、制御などの幅広い側面について、人文科学と理工科学との学際的な手法により研究していきます。そこでの成果は、人類知の様々な分野に寄与することが期待されています。
  生命科学研究科では、従来の理学、農学、医学、薬学分野の知識と技術を統合し、遺伝子、分子、細胞を探求の単位とする従来の生命科学を超え、より高次な生命現象解明へ取り組む新しい生命科学の研究を創出し、複雑な生物圏を理解し地球環境保全と人類の福祉と幸福に寄与できる人材の養成をめざしています。
  地球環境学舎は,地球環境問題の解明と解決のために、環境安定とそれを支える人間活動の双方に資する新たな文明理念と科学技術知を構築すること、そしてそれを現実世界に適応しうる人材育成を行うことを目的として平成14年に設置されました。

専門職大学院

 研究者養成に主眼をおいていた従来の修士課程とは異なり、高度で専門的な職業能力をもった実務家を養成するための、新しい形の大学院です。現場で活躍する各分野のスペシャリスト等も専任教員として招き、現場の複雑な問題を解決するための知識と技能の獲得をめざした教育をおこなっています。京都大学では、医学研究科で平成12(2000)年に専門大学院として開設された社会健康医学系専攻が、平成15(2003)年専門職大学院となりました。また法学研究科では法曹養成専攻(法科大学院)を平成16(2004)年に開設しました。さらに、平成18(2006)年には公共政策専攻(公共政策大学院)および経営管理専攻(経営管理大学院)の2つの専門職大学院が開設されました。以下に簡単に紹介します。

医学研究科社会健康医学系専攻

 この専攻は、将来、保健・医療・福祉分野における専門職あるいは教育研究職につくことを希望する者が、「社会における人間」の健康に関わる問題を探知・評価・分析・解決するために必要な幅広い知識、技術、態度を身に付けることを目的としています。教育の対象となる分野は自然科学から人文社会科学まで多岐にわたります。
  わが国は知的創造立国を志向しており、今後は医療分野でも特許を広く認めようとしています。そこで先端医学の研究成果を知的財産として管理・活用する高度専門職を育成するために、平成16 年度には知的財産経営学コースが開講されました。
  また、ヒトや集団を単位とした臨床研究を推進するため、平成17 年度には医師・歯科医師を対象とした1年制のコース臨床研究者養成コースを開設しました。
  さらに平成18年度には、先端医療に対応できる高度な専門的知識とコミュニケーション能力を持ち、患者・家族・被験者の立場を理解して新医療とのインターフェースとなりうる人材を総合的に養成する遺伝カウンセラー・コーディネータユニット(「遺伝カウンセラーコース」・「臨床研究コーディネータコース」)が開設されました。

法科大学院

  法科大学院は,法の精神が息衝く自由で公正な社会の実現のため,幅広い分野において指導的な役割を果たす創造力ある法律家を養成します。法学部・法学研究科の伝統にならい、自主・独立の精神と批判的討議を重んじ、自由闊達な教育環境の中で、法制度に関する原理的・体系的理解、緻密な論理的思考能力法律家としての高い責任感を涵養し、社会の抱える構造的な課題や最先端の法的問題に取り組むことのできる総合的な法的能力の育成を図ります。また実務的課題にも対応した教育を充実させるため、実務経験の豊富な多くの実務家教員を迎え、研究者教員と実務家教員が連携しつつ、理論と実務を架橋する高度な教育を提供しています。

公共政策大学院

 公共的な仕事に携わる高度専門職業人を養成する専門職大学院として、2006 年4月に開学したばかりの大学院です。定員40名で、少人数教育をとります。専任の教員は19 名ですが、他にも法学研究科、経済学研究科をはじめとした、他研究科の教員、さらには実務家が授業を担当します。
   ここでは、中央・地方レベルにおける国内行政および立法機関、国際機関、NPO/NGO、シンクタンク等の職業に従事する者のほか、一般企業において公共的な業務に携わる者など、公共政策分野の高度専門職業人を育てることを目的にしています。したがって公共政策の立案・遂行・評価に必要な専門的知識だけではなく、優れた教養と高い倫理的責任感を備えた人材の育成を目指しています。そのため、法学・政治学・経済学・経営学を有機的に結合した科目や、実務経験者による具体的な事例に則した実践的な知識を涵養する科目を提供すると同時に、幅広い視野と教養を身につけるために原理的・歴史的知識を教授する科目も多数用意されています。

経営管理大学院

 マネジメントに関する専門的かつ実践的な能力を備えた真のプロフェッショナルを育成するための大学院です。ビジネススクールとして、専門的知見を持つ社会人、多様なバックグラウンドを持つ学生外国人留学生といった人材を受け入れており、相互の刺激と切磋琢磨を通じて、現代の複雑なマネジメント諸課題に取り組むことができる実践的知識と論理的思考力の獲得を目指します。
   本大学院は、科学的な理論に基づいた専門的な知識と実践的な問題解決能力を修得するために、多様な授業科目を提供します。そして、主に1年生前期に基礎科目、1年生後期から2年生前期に専門科目、そして2年生前期からは実務科目と発展科目という体系的な履修を実現する科目構成をとっています。そして、スーパーバイザーが、それぞれの学生の知識や履修状況、そして将来の希望を踏まえ、履修すべき科目や学修すべき内容についてアドバイスを与え、積極的に学びを支援します。