20号(2011年9月)
表紙
北部総合教育研究棟(益川記念館)
湯川秀樹教授の日本初のノーベル物理学賞受賞を記念して、1952年に京都大学北部構内につくられた「湯川記念館」を前身に、京都大学基礎物理学研究所が翌年に誕生。半世紀後の2011年4月に、7代目所長を務めた益川敏英京都大学名誉教授の同賞受賞を記念して、全学共用スペースとしてこの記念館が完成した。玄関で出迎えるのは、数十年この地に根 を張るウツクシマツ(アカマツの一品種。自生する滋賀県湖南市では天然記念物に指定)。移植の経緯は定かではないが、堅牢な窓枠に映えるやわらかな枝ぶりが心地よい。
19号(2011年3月)
表紙
時計台前のクスノキとカンフォーラ
京都大学のシンボルといえば時計台とクスノ キ。伸びやかに枝を広げるその姿は、大学のエンブレムとなり、総長カレーが人気の正門脇のカフェレストラン「カンフォーラ」の名前の由来にもなった。じつはこのクスノキは、1934年の室戸台風後に植えられた2代目。1912年に火事で焼失した京都帝国大学本館に代わって、1925年に時計台が完成したと きには初代はすでに植えられていた。以来、数えきれないほどの京大生を迎え、その門出を見守りつづける。
18号(2010年9月)
表紙
吉田南総合館から望む百周年時計台記念館
通りを隔てて時計台記念館と向き合う吉田南構内は、京都大学の全学共通教育の拠点。学部の枠を超えて全学生が履修する全学共通科目の授業の多くは、この吉田南構内で開講される。アーチ型の通路が特徴的な吉田南総合館の屋上には、「自由の学風」の源泉、旧第三高等学校(三高)の象徴だった「自由の鐘」が掲げられ、構内を行き交う学生たちに正午の時を告げる。
17号(2010年3月)
表紙
京都大学所蔵の貴重資料、絵巻物・奈良絵本コレクションの「三十六歌仙」の電子画像から抜粋し、コンピュータ処理により合成した。奈良絵本は、室町時代末期より江戸時代初期にかけてつくられた彩色の挿絵を入れた古写本のことで、筆者や製作年代を記したものがきわめて少なく、本資料も、筆者・製作年代ともに不詳である。藤原公任が、柿本人麻呂をはじめとするすぐれた歌人36人から各3~10首の歌を選んだ「三十六人撰」に基づき、三十六歌仙という。
16号(2009年10月)
表紙
京都大学所蔵の「誥命(こうめい)」から抜粋し、コンピュータ処理により合成した。清代、位階を与える際の文書を誥命、勅命という。これは満州人仏保Fobooの亡き祖父母である達喇木Dalame、瓜爾佳Gu-walgiyan氏を封ずる誥命で、江寧織造(南京の官営織物工場)五色紵絲(各種図案や文字を織り込んだ厚手の絹織物で錦織に相当する)に漢字と満州文字で記されている。
15号(2009年3月)
表紙
「西夏文華厳経」(京都大学蔵)より。木活字刊本とされる「西夏文華厳経」は、巻1から巻5までが文学部に、巻6から巻10までが人文科学研究所に所蔵されている。宋末の中国西北部に建国した西夏(1038~1227 年)は、仏教を取り入れ多数の漢語・チベット語仏典を西夏語に翻訳した。漢字を基にした西夏文字は、近年まで解読不能だった。西夏文字解読に大きな貢献のあった西田龍雄京都大学名誉教授の研究書「西夏文華厳経」(京都大学文学部刊)から文献の書影部分を抜粋し、コンピュータ処理により合成した。西田教授は2008 年の文化功労者に選ばれている。
14号(2008年9月)
13号(2008年3月)
表紙
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科所蔵の「イスラーム学貴重資料集成」。中央の三角はアラビア語貴重資料「ムハンマドの系譜」(石版)から、左下の菱形、周囲四辺の模様はアラビア語貴重資料「シーア派に関する著作5」(石版)から、右上の赤字はアラビア語およびオスマン語貴重資料「ベクタシー教団儀礼書」(写本)、その他はアラビア語およびオスマン語貴重資料「宝石の庫と彩花の蔵」(写本)から抜粋し、コンピュータ処理により合成した。