新年名刺交換会を開催しました。(2017年1月5日)

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恒例の新年名刺交換会を、百周年時計台記念館国際交流ホールにおいて開催しました。歴代総長である長尾真氏、尾池和夫氏をはじめ、多くの名誉教授、理事・副学長、監事、部局長、教職員など約160名の参加を得て、盛大に行われました。

まず、山極壽一 総長より新年の挨拶がありました。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、大学教育も加速するように求められていますが、大学教育は短期的な成果を目標に掲げて行われるものではなく、本学では1897年創立以来、世界的な視野を持ち、社会をきちんと俯瞰できる能力を持った人材を育てることを目標として掲げてきたことについて述べました。

次に、英国オックスフォード大学出身の古生物学者であるベヴァリー・ホールステッドの著書で、今西錦司やその弟子達の印象を書いた「「今西進化論」批判の旅」を紹介し、さまざまな反対意見を弟子達が述べ合うにも関わらず、その大きな学問的なまとまりというものが保たれている本学の伝統がオックスフォード大学の伝統と似ていることと、京都エリートという言葉について述べました。

最後に、これからの京都大学を支えていくためには、いかに本学の伝統というものを大切にし、近視眼的な視野ではなく、長期の視野をもち、すばらしい矜持をもった学生達を育てるということを大きな目標にしなければなりません。そのためには、我々自身がこういった伝統に従い、狭い学問に明け暮れるだけではなく、広い視野を持ち、尚且つ、知性の養分を蓄えながら、学問的に対等な立場を保つという大きな学問の矜持をきちんと備えて、そしてそれを発揮していかなければならないとの所感を述べました。

引き続き、長尾元総長の発声により乾杯が行われ、あちらこちらに歓談の輪が広がりました。

新年の挨拶をする山極総長

乾杯の発声をする長尾元総長

左から、尾池元総長と佐藤直樹 理事・副学長

会場の様子