京都人類学研究会新歓講演会

開催日
2017年04月14日 金曜日
時間
18時30分~
ターゲット
要申し込み
不要
公開日
 京都人類学研究会新歓講演会を以下のとおり開催します。どうぞふるってご参集ください。

基本情報

開催地
  • 吉田キャンパス
稲盛財団記念館 3階大会議室
薬学部構内マップ[64]
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_m.html
対象
  • 一般・地域の方
どなたでも参加いただけます。
参加費
当日は資料代として200円いただきます。

イベント内容

講演者

山本真鳥(法政大学教授)

コメンテーター

岸上伸啓(国立民族学博物館教授)

タイトル

グローバル化する互酬性 -サモア世界の儀礼財と現金の循環

要旨

サモアの女性財とされるファイン・マットは、女性がパンダナスの加工した葉を細かく裂き、半年から1年以上もかけて手で編んで作った、女性の労働力を凝集した繊細な儀礼財です。第二次大戦後に始まる海外移民の拡大は急速に進み、今日現地に住む人口より、海外在住サモア人人口が凌駕するまでになりました。海外移民コミュニティの拡大に伴い、彼らの送金は故郷に大きな影響を残しました。現金の注入により、儀礼交換はますます派手なものになり、一方、ファイン・マットは、海外では得られない貴重財として、送金の反対給付として海外に流れていき、海外でも儀礼交換が行われるようになりました。それに伴い、ファイン・マットはどんどん質を落とし、大量のファイン・マットが海外に送り込まれるようになりました。1980年代、90年代に作られたファイン・マットは、従来の美しさや繊細さが失われ、単に現金を引き出すための「引換クーポン」になってしまいました。

潮目が変わったのは、新しい世紀になった頃からです。文化復興の動きとともに、従来の目の詰んだ美しいマットを作ろうというキャンペーンが始まったのです。しかし、そのようなマット製作のインセンティヴは現金収入と結びつけることによって行われた点がかつてとは違っています。1980年頃からのフィールドの観察を通じて得た、ファイン・マットの歴史とそれを通じたサモア社会の変遷について考察を行う予定です。

備考

京都人類学研究会2016年度運営委員
代表: 平野(野元) 美佐
代表補佐: 田中 雅一

京都人類学研究会facebook
https://www.facebook.com/kyojinken/
お問い合わせ
京都人類学研究会事務局
E-mail: kyojinken2016*gmail.com (*を@に変えてください)