19世紀英領インドの語りにおいて、インド美術に対する西洋の反応は、「全インドを通じて立派な絵画一つ、見事な彫刻一つ見ることができず、神像ですら見どころといったらぞっとするほど恐ろしいというだけだ」という言に集約される否定的なものでした。また、聖典プラーナの「恐ろしい」姿をした神像への礼拝儀礼に対して多神教や偶像崇拝的傾向を認め、西洋の近代科学で遍く照らし出すべき「プラーナの暗黒世界」が措定されることとなりました。
19世紀後半に活発化するヒンドゥー教の宗教改革運動、いわゆるネオ・ヒンドゥーイズムは、こうした西洋から否定されたプラーナのヒンドゥー教にかわって、古代の聖典ヴェーダを典拠とするヒンドゥー教こそが真正なヒンドゥー教だとして呈示するものでした。一方、同時期の美術の領域においては、西洋からの眼差しをめぐって「インド美術」のアイデンティティや真正性が議論され、神像を形象化してきたヒンドゥー美術の伝統が焦点化されました。こうした動きはネオ・ヒンドゥーイズムとパラレルな関係にあると考えられます。
この研究会では、インド近代美術史で展開される神イメージの在り様を、「ヴェーダ」あるいは「プラーナ」で共有された神観念との関係から考察し、近代ヒンドゥーイズムの実相に迫っていきます。
19世紀後半に活発化するヒンドゥー教の宗教改革運動、いわゆるネオ・ヒンドゥーイズムは、こうした西洋から否定されたプラーナのヒンドゥー教にかわって、古代の聖典ヴェーダを典拠とするヒンドゥー教こそが真正なヒンドゥー教だとして呈示するものでした。一方、同時期の美術の領域においては、西洋からの眼差しをめぐって「インド美術」のアイデンティティや真正性が議論され、神像を形象化してきたヒンドゥー美術の伝統が焦点化されました。こうした動きはネオ・ヒンドゥーイズムとパラレルな関係にあると考えられます。
この研究会では、インド近代美術史で展開される神イメージの在り様を、「ヴェーダ」あるいは「プラーナ」で共有された神観念との関係から考察し、近代ヒンドゥーイズムの実相に迫っていきます。
基本情報
開催地
- 吉田キャンパス
対象
- 企業・研究者の方
どなたでも参加いただけます。
定員
なし
参加費
資料代として200円をいただきます。
イベント内容
発表者
福内千絵(関西学院大学先端社会研究所専任研究員)
コメンテーター
置田清和(京都大学白眉センター特定助教)
豊山亜希(近畿大学国際学部特任講師)
備考
京都人類学研究会は京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ研究者・大学院生がその研究成果を報告する場です。
(代表: 平野(野元)美佐 アジア・アフリカ地域研究研究科准教授)
(代表: 平野(野元)美佐 アジア・アフリカ地域研究研究科准教授)
- 京都人類学研究会Facebok
https://www.facebook.com/kyojinken/?pnref=story
お問い合わせ
京都人類学研究会
E-mail: kyojinken2016*gmail.com (*を@に変えてください)
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