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2007年9月25日

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NEDO技術開発機構
平成19年度「産業技術研究助成事業(若手研究グラント)」
京都大学の採択状況

■ 分野:ライフサイエンス
研究代表者 農学研究科 岸野 重信 助教
研究テーマ 微生物を用いた選択的な機能性脂質生産法の確立
研究概要  近年、脂質と健康をめぐる関心が非常に高まっている。しかし、有効な生理活性を示す機能性脂質は天然において稀少なものが多く、純度の高い供給源がないのが現状である。また、脂質の機能性は、脂肪酸の鎖長、不飽和度、cis/trans等に基づくことが明らかになっており、位置特異的・幾何選択的な生産法の確立が必要となる。そこで本研究では微生物を用いた選択的な脂質生産法の確立を目標とし、実用生産レベルに向上させることにより食品・医薬品への供給拡充に繋げる。さらに微生物を用いた生産法は、環境負荷の小さいクリーンなプロセスとして提供することができる。


■ 分野:ナノテクノロジー・材料
研究代表者 化学研究所 後藤 淳 助教
研究テーマ 非金属触媒で制御する超低費用・環境調和型の精密制御リビングラジカル重合の開発
研究概要  近年、リビングラジカル重合(LRP)と称される精密重合法が、最先端の高分子ナノ材料の合成法として登場し、高付加価値材料の新しい生産技術として、その産業利用が本格化しようとしている。本研究開発では、現在の高価な特殊基や重金属を用いたLRP技術に対し、安価で手に入り易い安全な化合物を用いた、コスト・パフォーマンスに劇的に優れ、環境に調和した新しいタイプのLRPを開発し、その産業への導入を図る。


■ 分野:エネルギー
研究代表者 エネルギー科学研究科 野平 俊之 准教授
研究テーマ 溶融塩電気化学プロセスを用いた新規太陽電池級シリコン製造法の開発
研究概要  溶融塩を用いた電気化学的手法による「金属級シリコンからのリン・ホウ素の除去法」を開発する。さらに、同じ溶融塩中での「シリカの直接電解還元」と組合せることで「シリカからの低リン・低ホウ素シリコン製造法」を開発する。これらが実現すれば、一方向性凝固精製により金属不純物を除去することで、それぞれ太陽電池級シリコンの低コスト製造が可能になる。最終的には電解工程での金属不純物混入を極力低減させ、炭素熱還元および凝固精製を必要としない革新的な「高純度シリカからの太陽電池級シリコン製造法の開発」を目指す。