トピックス

2007年4月23日

BACK
音声用スキップ(本文)

京都大学大学院工学研究科における石油資源開発株式会社寄附講座の開設について

京都大学大学院工学研究科
石油資源開発株式会社


 京都大学大学院工学研究科(以下「京都大学」)と石油資源開発株式会社(以下「JAPEX」)は、平成19年度より寄附講座「エネルギー資源開発工学(JAPEX)講座」を社会基盤工学専攻に開設することといたしました。
 本寄附講座では、エネルギー資源開発と環境対策について統一的な視点に立った研究開発を展開してまいります。
 京都大学では、かねてより大学院工学研究科社会基盤工学専攻を中心に地球全体の物質循環、地球工学、エネルギー資源開発に関する研究・教育を実施してまいりました。本寄附講座が推進する産学連携研究により、同専攻における新しいエネルギー資源確保に向けた先端研究を促進するとともに、資源開発プロジェクトを展開する上で必要とされるエンジニアリングデザイン能力を修得した人材の育成を図ってまいります。
 一方、JAPEXは、半世紀にわたり日本の石油開発のリーディングカンパニーとして、国内外において石油・天然ガスの探査・開発、天然ガスパイプライン網整備等の活動を続けてまいりました。本寄附講座における教育研究活動を通じて、企業側から長期的な日本のエネルギー安定供給確保に貢献し得る人材の育成を支援していきます。
  現在、世界的なエネルギー需要の増大に伴う石油・天然ガス生産供給能力の不足が懸念される中で、また化石燃料の利用は地球温暖化の原因ともなっており、エネルギー資源の開発と環境問題は表裏一体の関係にあるといえます。こうした状況に対処するため、本講座では、エネルギー資源開発と環境対策について統一的な視点に立った研究活動を展開するという、まったく新しいアプローチにより、未発見・新規領域のエネルギー資源に対する先端的な探査手法、石油の効率的な回収方法、さらには石油・天然ガスの消費に伴って発生する二酸化炭素を人間生活圏から隔離する方法等に関して、相互に共通する技術的課題の解決を図るための基礎となる研究開発を進めてまいります。
 これらの研究活動を通して、環境問題への寄与のみならず、新しいエネルギー資源確保のための先端基礎技術の開拓、ならびに実フィールドへの移行と早期実用化を図るとともに、国産エネルギー供給能力の向上に役立ててまいります。また、これらの研究成果は長期的な日本のエネルギー安定供給確保に貢献すると同時に、本寄附講座を基盤とする教育研究活動によって、新時代の国際社会で必要とされる科学技術の専門知識と課題解決能力を修得し、グローバルリーダーを発揮し得る人材の養成が期待されます。