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2005年11月4日

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平成17年度『原子力システム研究開発事業』 採択研究開発課題一覧



◆革新技術創出型研究開発(革新的原子炉技術)

研究開発課題名
原子力システム高効率化に向けた高耐食性スーパーODS鋼の開発
研究代表者
エネルギー理工学研究所 木村 晃彦
開発期間
5年
概要
鉛ビスマス冷却高速炉や超臨界圧水冷却高速炉等の次世代原子力システムの重照射、高温、高腐食性環境下に耐える革新的な燃料被覆管材料として、高温強度、耐照射性ならびに耐食性をも飛躍的に向上させた高クロム酸化物分散強化型(ODS)鋼の開発を行う。本開発では、ナノ・メゾ組織制御によるODSフェライト鋼の合金設計・製造プロセスの改良、超臨界水中ならびに鉛ビスマス中の耐食性試験、燃料との共存性試験、照射試験ならびに実用化に向けた加工プロセス技術開発を行い、次世代原子力システムの燃料被覆管として700℃、250GWd/tの高燃焼度利用が可能なスーパーODS鋼の開発を目指す。


研究開発課題名
先進複合材コンパクト中間熱交換器の技術開発
研究代表者
エネルギー理工学研究所 小西 哲之
開発期間
5年
概要
異なる冷却材(ヘリウム、液体金属、超臨界水、超臨界炭酸ガス等)間での熱交換を可能とする高温強度、耐食性の優れたセラミックス製コンパクト中間熱交換器の要素機器開発を行う。本技術開発では、高熱伝導性繊維で構造強化された炭化ケイ素材料の接合技術を背景に微細なフィン付き伝熱板を積層するプレートフィン型コンパクト熱交換器要素を試作する。また、試作体の伝熱、耐久性、水素透過性等の要素性能試験や実用化のための非破壊技術試験と1/10スケールダウンモデルによる総合性能試験を実施する。これにより、原子炉側と発電系側とを中間熱交換器を介して接続する間接サイクル発電システムにおいて、異なる冷却材の自由な組み合わせによる最適化が可能となり、革新的原子力発電システムの高効率発電技術の実現に資する。


◆若手対象型研究開発

研究開発課題名
ガス冷却高速炉用高燃焼度燃料の開発
研究代表者
エネルギー理工学研究所 檜木 達也
開発期間
3年
概要
窒化物燃料を50%程度含み、固相マトリックスを高密度の炭化ケイ素(SiC)で形成する高燃焼度窒化物燃料を開発するため、窒化物燃料を均一分散させ、マトリックスとして95%を越えるような高密度のSiCの窒化物燃料要素の試作試験を行う。


研究開発課題名
不溶性陽極を用いた革新的酸化物乾式再処理プロセス技術の開発
研究代表者
エネルギー科学研究科 後藤 琢也
開発期間
3年
概要
溶融塩化物中でダイヤモンド電極を不溶性酸素発生陽極として用いることにより、陽極反応として高い電流効率で酸素のみ発生させることを特徴とする新規な使用済み酸化物燃料の還元プロセス開発を目的とする。


研究開発課題名
中性子照射環境に於けるセラミックスの熱伝導率評価に関する研究開発
研究代表者
工学研究科 秋吉 優史
開発期間
3年
概要
炉設計を行うために必要な熱物性において、中性子照射中の熱物性データを実際に測定することは極めて困難であるが、中性子照射後の試験片の低温熱拡散測定データと陽電子消滅法により粒子線照射中に計測する空孔濃度測定データを組み合わせることにより照射中の熱伝導率を求める方法を開発する。


研究開発課題名
時間・空間スケーラビリティーを備えた統合原子シミュレーション
研究代表者
工学研究科附属量子理工学研究実験センター 青木 学聡
開発期間
3年
概要
原子座標の変化をサブマイクロ秒まで直接追跡する材料欠陥緩和シミュレーション技術やサブマイクロメートルの構造を持つ材料の放射線欠陥生成のシミュレーション技術等、新しいアルゴリズムに基づく統合原子シミュレーション技術を駆使し、様々な形状・組成をもった材料への高密度放射線照射による空孔生成、結晶構造の破壊と再結晶化等の現象をシミュレーションすることにより、材料内に生じる欠陥生成・緩和過程を微視的・巨視的双方から解明する。